「PLC(電力線通信)」について

-はじめにー
 PLC(Power Line Communication)は、電力線を通信回線としても利用する通信技術で、コンセントに差し込むだけでインターネットにつながる仕組みです。通信線の普及にともなって、PLC方式は電力メーターのスマート化に伴い、再び注目を集めています。

-目次-
1.PLC(電力線通信)とは
2.PLCが見直されている分野
3.PLCの課題

1.PLC(電力線通信)とは
 インターネットに使う専用の通信線と違い、さまざまな建物で使われている電力線を通信回線として利用するのがPLC(Power Line Communication)です。
 PLCによる一般的な通信方法では、電力線に電力と異なる周波数のデータ信号をのせて送受信を行う方式をとります。これにより、PLC専用のモデムをコンセントに接続するだけでインターネットの利用が可能になります。

2.PLCが見直されている分野
 電力使用量について、これまでは検針員が一ヶ月に一度訪れ計測していました。これを自動で計測し送信するスマートメーターの普及が進んでいます。
 このスマートメーターの通信方法として、PLCが採用される動きが広まっています。30分に1回のペースで各家庭から電力使用量を送信するには、高い収集率が必要となります。これに対して国内のPLC規格HD-PLCは低圧電力線に接続するだけでよく、大きな工事が必要なくコストについても優れています。また、安定した通信が可能で、膨大なデータを正確に測定して送信可能であり、スマートメーターに適した通信方法なのです。
 このスマートメーターの普及は、電力需要を自動的に調整するスマートグリッドへとつながる第一歩として期待されています。

3.PLCの課題
 PLCは電力線にのせて通信を行うという特性上、ノイズが発生しやすく、これが通信データと周辺機器の双方に影響を与えます。
 また、電力線自体がノイズに対して強くないという課題もあります。もともとデータ通信を想定したケーブルではないため、通信線よりノイズの影響を受けやすいのです。
 さらに、電力線が高周波信号向けに設計されていないこと、電力線には分岐や末端負荷の接続があることなどから、信号減衰量が大きいという点も課題となっています。

ーまとめー
 IoTの社会浸透が進む現在、無線では実現できない広域接続と安定した通信方式として、PLCが再び注目を集めています。スマート化社会におけるIoTとPLCの結びつきがどのような動きを見せるのか、注目していく必要があります。 

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