「3相変圧器の結線方式」について

1.Y-Δ結線(6600V/210V)
①主に降圧用変圧器として用いられるます。
(50kVA~750kVAまで)
②第3高調波電流がΔ回路を循環して流れ外部に流出しないため、磁束や誘導起電力の歪が少ない。
③1次側と2次側に30°の位相差が生じます。
(2次巻線が1次巻線より30°遅れ)
④2次側に中性点がないが、二次側対地電圧が300V以下の場合は、2次側一線を接地することが可能です。300Vを超える場合は、混触防止板などを使用して接地する必要があります。また、対地電圧がそのままなります。
(2次側415Vの場合、対地電圧も415V)

2.Δ-Y結線(6600V/415V)
①主に昇圧用変圧器、2次側415V変圧器として用いられます。
②第3高調電流分がΔ回路を循環して流れ外部に流出しないため、磁束や誘導起電力の歪が少ない。
③1次側と2次側に30°の位相差が生じます。
(2次巻線が1次巻線より30°進み)
④2次側の中性点を利用して中性点接地が可能です。
⑤2次側の中性点を接地することで、対地電圧が1/√3になります。2次側415Vの場合、対地電圧が415/√3=239.6Vとなり、対地電圧300V以下に抑えることが可能です。

3.Δ-Δ結線
①第3高調波電流がΔ回路を循環して流れ外部に流出しないため、磁束や誘導起電力の歪が少ない。
②変圧器に流れる相電流が線電流の1/√3になるため、変圧器の巻線導体を細くできます。そのため大電流を必要とする回路に用いられるケースが多い。
(750kVA超)
③1次側と2次側共に中性点がないため、二次側対地電圧が300V以下の場合は、2次側一線を接地することが可能です。300Vを超える場合は、混触防止板などを使用して接地する必要があります。
④1次側と2次側に位相差がない。

4.Y-Y結線(あまり利用されない)
①比較的小容量変圧器(50kVA以下)として用いられるケースが多い。
②1次側と2次側が共に接地できるため、保守・保護が容易です。
③Δ回路がないため、第3高調波電流を流す環流回路をもたない。そのため磁束や誘起起電力が歪むなどの支障が発生します。

5.V-V結線(あまり利用されない)
①Δ-Δ結線で運転中に1台の単相変圧器が故障した場合に用いられるケースが多い。
②単相変圧器2台で構成されるため、他の結線方法に比べて定格容量が小さくなります。
(利用率86%程度)

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