「統合接地方式」について

1.統合接地方式
統合接地方式は、A種からD種の接地極を1つに統合した接地方式です。(単独接地方式:A種からD種の接地極を個別に埋設する接地方式)

建物に落雷があると建物の電位は上昇しますが、電路は変圧器の2次側でB種接地されているため、建物と変圧器の間に大きな電圧が生じます。
この電圧は半導体素子などのを使用している精密機器にダメージを与えるため、落雷があるとさまざまな機器に異常が発生することがあります。

統合接地方式の場合、A種からD種の接地を一つに統合し、更に建物も電気的に接続されるため、落雷があると建物全体と電路の電位が等しく上昇します。その結果、電位差が生じず、精密機器の破損を防止することができます。


2.統合接地方式を採用するための条件
統合接地方式を採用するためには、大地との接地抵抗を2Ω以下にする必要があります。
「電技解釈第18条第2項」
大地との間の電気抵抗値が2Ω以下の値を保っている建物の鉄骨その他の金属体は、これを次の各号に掲げる接地工事の接地極に使用することができる。
一_非接地式高圧電路に施設する機械器具に施すA種接地工事
二_非接地式高圧電路と低圧電路を結合する変圧器に施すB種接地工事


3.統合接地方式のデメリットとその対策
B種接地工事を他接地と共用した場合、B種接地の接地抵抗値が低くなりすぎるため、地絡電流が過大になることがデメリットとして挙げられます。
対策としては、①変圧器2次側の接地線に制限抵抗を挿入することで地絡電流を制限、②接地間SPDを設け、通常時は個別接地として機能し、非常時(落雷等の異常電圧発生時)のみ等電位化するという方式がよく用いられる。

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