「高圧コンデンサ(SC)と直列リアクトル(SR)」について

-目次-
1.高圧コンデンサ(SC)とは?
2.直列リアクトル(SR)とは?

1.高圧コンデンサ(SC)とは?
 高圧コンデンサ(Static Capacitor)は、誘導電動機などを稼働させるときに起きる力率の低下を改善するために用いられます。 誘導性の機器を稼動させると、一般的には遅れ電流が流れ、力率が低下します。この負荷の力率を改善するために、遅れ電流分をコンデンサの進み電流で相殺させる働きをします。

<高圧コンデンサの放電>
①放電抵抗
・JISで定められており、進相用コンデンサに内臓されています。
・コンデンサの印加電圧を開放後、5分で50V以下に放電します。

②放電コイル
・コンデンサの印加電圧を開放後、約5秒で50V以下に放電します。
・複数のコンデンサを自動力率調整する場合は放電コイルが必要になります。

③注意点
 コンデンサをLBS等で開放した後、残留電圧が充分放電しない状態で再投入すると高い過渡電圧が発生します。高圧では開路後5分以内(低圧では3分以内)の再投入は行わないようにしましょう。


2.直列リアクトル(SR)とは?
 直列リアクトル(series reactor)は、高調波(特に第5調波)に対して回路を誘導性にし、高調波の拡大を防止するために用いられます。その他、コンデンサ回路の電源投入時に発生する突入電流の抑制や開放時の開閉器再点弧防止にも効果があります。

<直列リアクトルの容量>
 障害となる高調波は、主として第5調波です。これを相殺する(打ち消す)ために、この第5調波と共振させるリアクトルの設置が必要となります。
基本波の共振条件は、
 ωL=1/ωC
ですが、第5調波の共振条件は、
 5ωL=1/5ωC
 ⇒ ωL=1/25ωC=0.04×1/ωC
となり、直列リアクトルの容量はコンデンサ容量の4%あればよいことになりますが、実際は余裕を見込んで、6%にするのが一般的です。
 ただし、第3調波が無視できない場合は、13%にする必要があります。

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