「無効電力の役割」について

-目次-
1.有効電力・無効電力・皮相電力とは? 
2.無効電力の役割
3.遅れ無効電力と進み無効電力
4.無効電力の供給(発生)と消費

1.有効電力・無効電力・皮相電力とは?
 交流回路の電力には有効電力、無効電力、皮相電力の3種類の電力があります。
①有効電力(effective power)
・負荷で消費される電力(単位:W)
②無効電力(reactive power)
・負荷で消費されない電力(単位:Var)
③皮相電力(apparent power)
・電源が送り出す電力(単位:VA)

2.無効電力の役割
 無効電力は、負荷と電源とを往復するだけのエネルギーで、負荷で消費されない電力を指します。交流回路において、無効電力を制御することで、電圧・力率の調整が行われています。

3.遅れ無効電力と進み無効電力
 無効電力は、自己インダクタンスに由来する誘導負荷と静電容量に由来する容量負荷から生じます。誘導負荷による無効電力を「遅れ無効電力」、容量負荷による無効電力を「進み無効電力」と呼んでいます。電圧を基準として、電流が遅れている場合の無効電力を「正」とするのが一般的です。

4.無効電力の供給(発生)と消費
①無効電力の供給(発生)
 機器(電力用コンデンサなど)を無効電力の供給源(発生源)として考えた場合、機器側から電力系統に遅れ(+)無効電力を供給すると呼びます。
②無効電力の消費
 機器(電力用コンデンサなど)を無効電力負荷として考えた場合、電力系統から機器側に遅れ(+)無効電力を供給すると呼びます。機器側から見ると進み(-)無効電力を消費することになります。

 電力用コンデンサなどの容量負荷は進み(-)無効電力を消費する負荷ですが、遅れ無効電力で考えれば機器側から電力系統に遅れ無効電力が供給されるのと同じなので、単に無効電力の供給源(発生源)と呼ぶことができます。

ーまとめー
 無効電力は名前のイメージから無駄な電力だと思われがちですが、実際には送電の電圧を安定化させるという大きな役目を担っており、決して無駄なんかではないのです。

タイトルとURLをコピーしました