「絶縁監視装置」について

絶縁監視装置は、地絡事故によりB種接地線に帰還する漏洩電流を検出することにより絶縁状態を監視する装置です。低圧用絶縁監視装置には、その検出原理によりo方式gr方式があります。

①Io方式
o方式は漏電火災警報器と同じ原理で漏電連流を監視するものです。使用設備に絶縁不良が発生した場合、大地とB種接地線を経由して閉回路を構成し、漏電電流Ioが 流れます。この電流をCTにより検出する方式がIo方式です。
o2=Ior2+Ioc2 
o:合成漏洩電流
or:抵抗分漏洩電流
(絶縁抵抗劣化が原因となる漏洩電流)
oc:容量分漏洩電流
(ケーブルの静電容量による漏電電流、インバーター機器等による高調波を要因とする漏電電流)

※Ior方式
漏洩時に発生するIocを除外し、火災や漏電につながる抵抗成分のみを検出できる測定方式


②Igr方式
負荷に高調波を発生させるインバータ等を使用した機器がある場合、絶縁監視装置で測定している漏れ電流値が影響を受け、真の漏れ電流値(抵抗成分)より大きい値で測定されてしまいます。その結果、真の漏れ電流値(抵抗成分)が不明となり、絶縁監視が難しくなります。この課題に対応する方式がIgr方式です。
gr方式は、設備の絶縁状態を監視するために一定の監視用電源を注入し、この電源に対する漏洩電流を測定することで絶縁状態を監視しています。静電容量分は内部演算分離回路により除かれ、抵抗分の漏洩電流Igrを演算し、絶縁状態を監視します。

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