「中性点接地方式」について

1.中性点接地の目的
①線路の対地電圧の上昇を抑え、電線路および機器の絶縁レベルを軽減する。
②アーク地絡などの異常電圧を防止する。
③地絡継電器の動作を確実にする。

2.中性点接地方式の概要
(1)非接地方式
中性点を接地しない方式であり、送電線路の電圧が低く、かつ亘長が短い場合に用いられている。
<特徴>
①地絡電流が小さく、通信線への影響が小さい。
②変圧器の中性点を必要としないので、Δ-Δ結線を採用できる。
③1線地絡事故時に健全相の対地電圧が高くなる。
④抵抗接地方式と比較すると、地絡保護リレーの動作が難しい。

(2)直接接地方式
送電線路に接続された変圧器の中性点を直接接地する方式である。主に187kV以上の超高圧系統に用いられている。
<特徴>
①1線地絡事故時に健全相の対地電圧上昇がわずかであり、アーク地絡や開閉サージによる異常電圧が他の方式に比べて小さい。
②開閉サージを低くできるので、避雷器の責務を軽減できる。
③1線地絡時の地絡電流が大きく、地絡リレーの動作が容易であり、確実な遮断が期待できる。
④地絡電流が大きくなるため、系統の過渡安定度が低下する。
⑤通信線に与える誘導障害が大きい。

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