「誘導発電機の励磁方式」について

-目次-
1.他励式誘導発電機
2.自励式誘導発電機
3.二次励磁式誘導発電機

1.他励式誘導発電機
<概要>
 回転磁界を作る励磁電流を交流電源から一次巻線に供給する方式で、かご形または巻線形誘導機が用いられる。
 回転子を原動機によって同期速度以上に回転させると、すべりは負となり、二次導体が回転磁界を追い越すため、二次起電力と二次電流ならびに一次負荷電流の方向が誘導電動機運転の場合と反対になる。ことためトルクは回転方向と逆になって原動機からの機械入力は電気出力に変換されて交流電源側に送出される。
 この場合、励磁電流は線路から供給されるので、一次側に電源がないと発電が不可能である。
 励磁式は、主としてかご形誘導機を発電機として利用でき、保守が容易で安定度が高いので、大きな電力系統に接続される小容量の水力発電機などに用いられる。
<特徴>
①発電機の特性は、電動機の等価回路においてすべりを負の領域として容易に求められる。
②励磁電流を供給する交流電源がないと発電不可。
③発電機の突発短絡でも発電機側の短絡電流が少ない。
④原動機は発電機の出力と損失を供給するが、負荷および発電機の無効遅れ電力はすべて電源側で供給するため電源の力率を低下させる。

2.自励式誘導発電機
<概要>
 他励式誘導発電機の誘導発電機において、無負荷励磁容量に等しいコンデンサを一次巻線に接続して回転子を同期速度で回転すると、残留電圧によってコンデンサに流れる無効電流が発電機を自己励磁して定格電圧を確立できる。
 この誘導発電機に負荷を与えると、発電機内で漏れリアクタンスにより遅れ無効電力が生じて端子電圧が低下するので、コンデンサ容量を増加して電圧降下を補償する必要がある。このように、他励式で交流電源から供給される無効電力をコンデンサの無効電力によって置換する方式を自励式誘導発電機という。
 自励式は、この原理により、主としてかご形誘導機を発電機として利用するものである。自励電圧の大きさを調整するために、可飽和リアクトルを接続するものも多い。
<特徴>
①交流電源が不要となり、単独発電が可能である。
②定格電圧を維持するには負荷に応じてコンデンサ容量を微調整でいる装置が必要。
③発電端における突発短絡でも短絡電流は小さい。

3.二次励磁式誘導発電機
<概要>
 巻線形誘導機の二次巻線にすべり周波数の励磁電流を流し、一次巻線から定格周波数の電力を取り出す方式である。通常、別個に設けられたサイクロコンバータ、低周波発電機および低周波を得る整流子形周波数変換器を用いて励磁する。
 すべり周波数の交流励磁機としては交流整流子形のものが用いられ、発電機と励磁機とを直結することによって、原動機の速度の変化に対して一定周波数を得る方法をとることができる。
 二次すべり誘導起電力に対して印加するすべり励磁電圧の大きさと位相を調整することによって、負荷の増減および負荷の無効電力を供給することができる。
<特徴>
①一般に交流励磁機用の電源が必要である。
②遅れ力率や進み力率の負荷へ電力の供給が可能。
③励磁装置により高価な発電機となる。

タイトルとURLをコピーしました