「総合技術監理部門_記述式問題」について

-はじめにー
 令和2年度に出題された問題を例に、各設問において「記述すべき内容のポイント」を説明します。

-目次-
1.設問(1)について
2.設問(2)について
3.設問(3)について

1.設問(1)について
 あなたがこれまでに経験したことのある、あるいはよく知っている事業場を1つ選び、それぞれについて次の①~③に沿って説明せよ。
事業場の名称を記せ。
②その事業場で行われている事業の目的及び創出している成果物(製品、構造物、サービス、技術、政策等)を記せ。
③その事業場の概要を記せ。
ここには設問(2)で記述する被害と対策の特徴を理解するのに必要な事項(例えば事業場の規模や特徴、現状など)を含めること。
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<ポイント:専門的知識>
・設問(1)の設定により、設問(2・3)の方向性が決まる。
・プロジェクトテーマの管理目標を記述する。
・事業場の規模や特徴が業務に必要な専門知識を要している部門であること。
専門知識を活動方針や対応方針に応用できる立場であること。
法令制度、社会条件を活動方針や対応方針に応用できる立場であること。
自然条件を活動方針や対応方針に応用できる立場であること。

2.設問(2)について
 設問(1)で取り上げた事業場に対して、将来、甚大な被害を及ぼす可能性のある異常な自然現象を1つ選び、それによる主要な被害やそれらに備えた対策について、次の①、②に沿って示せ。
①取り上げる異常な自然現象を記し、そこで想定している脅威の程度を示すために、それによりもたらされることが予想される事業場の周辺地域における被害状況について記せ。
②この異常な自然現象により事業場が受ける可能性のある主要な被害を3つ挙げ、その内容を説明し、それぞれの被害の影響を軽減するための事前の備えとして、(ⅰ)既にとられている対策の現況を述べ、また(ⅱ)今後追加するとよいと思われる対策を、1つ又は2つ挙げよ。
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<ポイント1:問題解決能力>
・取り上げる問題点は、5つの管理から、
a)業務遂行上直面する問題点をリスクとして、その内容を明確に把握していること。
b)その背景に潜在する問題のリスクの発生要員や制約要因を抽出し、分析していること。
c)複合的な問題に関するリスクを把握すること。そのリスクの相反する要求事項の影響の重要度を考慮して、リスクを分析していること。その結果に基づいてリスク対策管理の複数の選択肢を提起する。
<ポイント2:評価>
リスクの原因を分析、把握してリスクアセスメントを実施すること。
・リスクアセスメントの結果は、
a)リスクの解決策の効果を算定して合理的に提案されていること。又は改善されていること。
b)業務遂行上の各段階における発生リスクの結果であること。
c)最終的に得られるリスク対策の成果やその波及効果までリスク評価(保有・低減・回避・移転)されていること。
d)次段階や別の業務の改善ができるように再度評価すること。

3.設問(3)について
 将来の被害の発生に備え、事前にとっておくべき対策の実施計画を立てるに当たっては、想定した被害の発生可能性に加えて、事業場を運営する主体における予算等のさまざまな制約も踏まえて検討する必要がある。設問(2)で「追加するとよいと思われる対策」として挙げた対策の実施の優先順位を含めた実施計画について、総合技術監理の視点から検討し、提案せよ。また、そのような優先順位とした理由ものべること。
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<ポイント1:コミュニケーション>
・課題に対する解決策は、
a)多様な関係者(ステークホルダー)に対しても理解できること。
b)リスク算定、リスク評価、リスク対策の優先順位に対し、明確かつ効果的な意思の疎通を図る方法の記述であること。
<ポイント2:技術者倫理>
・課題に対する解決策は、
a)各段階における最終的に得られる成果とその波及効果を、事業場の面と技術者の面から倫理的に評価すること。
→事業場の面:事業場の持続的な継続性を論じる。
→技術者の面:従業員自体の品質向上に向けた自律と自立であり、説明責任の必要性を論じる。
b)次段階や別の業務の改善に資するように、事業場の面と技術者の面から倫理的に評価する。
→事業場の面の改善:企業の社会的責任(CSR)から論じる。
→技術者の面の改善:働き方改革への対応から信頼性確保の方策を論じる。

-まとめ-
 問題文にも記載されている通り、論文の記述に当たっては、被害や対策が事業場にとって特徴的で、かつその説明が専門分野外の人(例えば専門が異なる総合技術監理部門の技術士)にも分かりやすいものであるよう留意する必要があります。
 また、書かれた論文を評価する際、そのような工夫・配慮がなされているかどうかを含め、視点の広さ、記述の明確さと論理的なつながり、そして論文全体のまとまりが重視されます。

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