「総合技術監理に要求される能力とその養成」について

「技術士成語における総合技術監理部門の技術体系(通称青本)」より抜粋

【総合技術監理に要求される能力とその養成】
 総合技術監理を行う技術者に要求される技術的知識や能力は、その組織活動やプロジエクトにおける個々の作業や工程などの要素技術に対する管理技術のみではない。それに加えて、業務全体の俯瞰的な把握・分析に基づき、前述した5つの管理などの広範囲にわたる技術業務全般に対する総合的な判断を行うとともに改善策の策定を行える能力である。技術業務全般を総合的に判断するということは、各管理に対する個別の検討を行うことは当然のこととして、各管理の目的に照らして互いに相反する選択肢が発生した場合(例えば安全性向上のためのコスト増と生産性向上のためのコスト低減などの場合)、総合的な視点から検討を行い、それによって経営全般を勘案したマネジメントに資する判断を行うことである。
 このような総合技術監理能力は、個別の知識を積み上げることのみによって習得される訳ではない。前述した5つの管理技術などを個別に理解するとともに、それらを総合的に勘案して判断する技術洞察力を身に付ける必要がある。この能力は、企業などの組織活動や社会の要求を十分に理解しその技術を組織活動の中で発揮することが前提となっている。そのため技術者倫理に対する理解、科学技術の進歩への関与、社会環境の変化への対応、そして常に俯瞰的な立場で総合的に判断する習慣といったものを日々の組織活動やプロジェクトの中で実践しながら身に付けていくことが必要である。つまり、正しい知識の習得と日々の実践の両輪が、真の総合技術監理能力の養成のために要求されているのである。
 さらに、総合技術監理を行う技術士が対応すべき管理技術の広範さ、要求されるレベルを考えたとき、その技術力の向上を図る努力は常に継続されなくてはならない。

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