-目次-
1.内線規程における電圧降下の許容値
2.緩和規程が定められている理由
3.幹線の電圧降下計算における注意点
1.内線規程における電圧降下の許容値
内線規程(1310-1)では「低圧配線中の電圧降下は、幹線及び分岐回路において、それぞれ標準電圧の2%とすること(電気使用場所内に設けた変圧器から供給する場合は、幹線で3%)」と規定されています。
また、電線こう長が長いの場合(60m超過)の緩和規程は「幹線」及び「分岐回路」で区別せず、電圧降下を幹線と分岐回路の合計値で扱っています。
※実際の設計業務において、
電線こう長が長いの場合(60m超過)の緩和規程は、下記の様に考えておきましょう。
<電気使用場所内に設けた変圧器から供給>
①120m以下:幹線3%以下+分岐回路2%以下
②200m以下:幹線4%以下+分岐回路2%以下
③200m超過:幹線5%以下+分岐回路2%以下
2.緩和規程が定められている理由
電圧降下はできるだけ小さいことが望ましいですが、むやみに太い電線を使用することは、経済的に好ましくありません。その様な観点から緩和規程が定められています。
3.幹線の電圧降下計算における注意点
電圧降下の計算をする場合に、パーセント値とボルト値を間違えないように注意しましょう。
①電灯(1Φ3W 105V/210V)の場合
<例>
・幹線こう長:130m
⇒許容電圧降下:4%(4V)
②動力(3Φ3W 210V)の場合
<例>
・幹線こう長:130m
⇒許容電圧降下:4%(8V)
ーまとめー
電線(ケーブル)の太さを決定するには「許容電流」「電圧降下」「機械的強度」の3つの要素を検討します。特に電線こう長が長い場合には、電線の抵抗による電圧降下が大きくなり、電気機器の使用に悪影響を及ぼすおそれがありますので、注意しましょう。